飛行機のサービス合戦がスタートしました。
コスト削減とかでおしぼりは消えすべて有料になりました。
そこで冷凍食品を積んで好みの品をチンする新サービスが登場しました。
キャビン用の冷蔵庫は冷凍庫に改造され、レンジは機内装備品で可能になったのです。
お客さんは食べ飽きたチキンかビーフを選ぶよりも好みの冷凍食品
が食べられて好評で。しかも事前に調理した物よりも大幅に安くなりました。
また飛行機だからと特別な物を用意する必要はなくなり、それと売
れないお土産品とか高級品の販売は廃止し、面倒だった在庫管理もな
くなりました。
どうせ空港で売っているなら飛行機の中でなぜ販売するのだろうかと疑問でしたが、それを機内販売を品揃えが多いネット販売に切り替えたのです。
うるさいほど販売に来たCAの仕事は半減しました。
どうしても品物を持ち帰りたい人には空港で受け取り、多くの人は宅配に依頼していました。
座席も変りました。
ファーストクラスやビジネスクラスは値段が高いがエコノミークラスの何倍もの面積を彼らだけが占有したのですが。
これからはネットがさらに増えてわざわざ高い金を払い、長い時間かけて行く必要がなくなったのです。
その分エコノミーでも足を伸ばせる構造になり観光者は大幅に増えてきました。
絶叫サービスが企画されました。
飛行機は移動手段ではなくなる時代が来たのです。
ジェットコースターよりも面白い飛行機のアクロバット飛行です。
各航空機メーカは小型機を改造して特別な飛行ができるようになりました。
離陸時の加速は通常は0.2Gですが、これを10倍にして2G程度にアップしました。座席に食い込む強烈な加速が楽しめます。
これでもジェットコースターの4Gに達さないので、特別料金を支払うと4Gの加速が体験できるようになりました。
今までは飛行中に乱気流で急降下するときは3G程度で体が浮くことになりましたが。これからは急降下飛行で体験できます。
また戦闘機のように背面飛行も体感できます。
ジェットコースターはその座を飛行機に譲るしかありません。
最高速度は800km、最高高さは3000m、加速度は4G、所要時間は1時間です。
一方、世界最高のジェットコースターでは最高速度が153km、最高高さが90m、加速度が3.5G、所要時間が3分で比較になりません。
ジェットコースターに飽きた利用者に大人気となりました。
それに人気のブルーインパルスとの編隊飛行が楽しめます。
自動車はどうなったでしょうか。
無人運転とか空飛ぶ自動車が実用化されて、次のサービスは団体旅行の連結自動車です。
バスでは乗り換えが必要でしたが参加者が乗って来た車のまま目的地に案内してくれます。
もちろん運転はガイド車が行なっていて心配ありません。
到着すれば参加者たちは食事、飲酒や会話を楽しめます。
解散場所からは自分たちで移動できますし、運転代行に依頼すると自宅まで届けてくれます。
レストランでは制限なしの大食い大会が毎日開催されています。
従来のサービスは水だけでした。水も有料に変わりました。
次に現れたのは低価格サービス競争です。これも採算が取れなくなり量を減らしたり食材を減らして来ましたが。お客離れが始まり急遽料理の量を増やすことになりました。
レストランは大食いの若者で溢れています。
その結果少食になった高齢者はその店で食べられなくなりました。
そこでオーナーシェフにお願いしました。
「頼むから少量の料理を出してくれないか。」
「すいませんが、うちの大食い看板は変えられないので他へお願い
します。」
「お宅の料理が美味しいから来ているんだよ。」
「そうですか。それではうちからのサービスとして大食い大会の
優勝者にサポートさせます。」